豊洲市場開場2周年に寄せて

東京都知事 小池百合子

 

  築地から豊洲に市場が移転して2年が経過しました。以来、日本各地の出荷者や買出人、消費者に広く親しまれる豊洲市場は、日々活気あふれる取引が行われ、我が国の基幹市場として大きな役割を果たしています。

 

  今年、世界は、新型コロナウイルス感染症という試練に直面しました。こうした中にあっても、生鮮食料品が、これまでと変わらずに安定的に供給されているのは、ひとえに市場関係者の皆様が、都民の食生活を支え続けるという気概を持ち、徹底した感染拡大防止対策のもと業務に取り組まれているおかげです。

 

  現在、市場で働く方々は、マスクの着用や手洗い、発熱のチェック等の体調確認を行い、見学者にも入口での検温などにご協力いただいています。また、市場内の飲食店等では「感染防止徹底宣言ステッカー」を掲示していただいております。関係者の皆様のご理解とご尽力に、改めて深く感謝申し上げます。

 

  コロナ禍を契機とする外食需要の減少や家庭消費の増加、さらには昨今のインターネットを通じた取引の急速な進展などにより、生鮮食料品等の流通を取り巻く環境は、凄まじいスピードで変化しています。

 

  こうした環境変化を踏まえた多様なニーズに的確に対応するため、本年6月、中央卸売市場条例を改正しました。今後の社会の大きな変革を見据え、各市場業者の皆様が創意工夫ある取組を行うことにより、さらなる発展を遂げられることを期待しております。

 

  80余年の歴史を紡いだ築地市場の時代、市場関係者の英知と努力で様々な難局を乗り越えてこられました。

 

  今回の新型コロナウイルスという未曾有の難局も、豊洲市場の皆様と都で力を合わせて乗り越えてまいりましょう。そしてその先の「ポスト・コロナ」の社会においても、豊洲市場が、多くの方に愛され、日本の生鮮食料品流通の中核市場として支持されますよう、都は引き続き取組を進めてまいります。

 

  今後とも、関係者の皆さまのご支援をお願い申し上げるとともに、今後益々のご活躍を祈念して、開場2周年のご挨拶といたします。

 

 

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