開場2周年のごあいさつ

一般社団法人豊洲市場協会会長 伊藤裕康

 

 豊洲市場はこの度、開場2周年を迎えました。出荷者の皆様、小売業や飲食業など市場をご利用いただいている皆様に御礼申し上げますとともに、日々、共に食品の流通を支えていただいております市場関係者の方々に、感謝いたします。

 

 本来なら、関係者が一堂に集い、開場2周年という記念すべき日に、多くの方にご参集いただきたいところでございますが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止するため、集会を取りやめ、書面でのご挨拶とさせていただきます。

 

 さて、早いもので10月11日に開場から丸2年が経過しました。この1年は卸売市場法の改正、東京オリンピック・パラリンピックが予定されるなど、移転2年目として、新たなステージへのステップアップの年と考えておりました。しかし、年初より新型コロナウイルス感染症が市場業務に大きな影響を及ぼしており、この荒波を乗り切るために、業界一丸となって対応しているところです。特に緊急事態宣言が発令された4月7日を境に、豊洲市場が得意としております品質志向の食材流通が停滞するなど、お客様である飲食店の皆様、出荷者である生産者の皆様共々、非常に厳しい経営を余儀なくされています。

 

 その中でも、ライフラインである豊洲市場は、生産者と消費者の皆様を繋ぐため、休むことなく食品を供給するという中核市場としての社会的使命を果たし続けてまいりました。豊洲市場協会では、感染拡大の兆しが見えた2月に、東京都、市場衛生検査所と業界が一体となった連絡会を立ち上げ、情報収集、感染予防の徹底や連絡体制の構築などに取り組み、現在も対策を継続しております。今後、感染の再拡大等も予想されているところですが、市場関係者の協力のもと感染対策を徹底するとともに、アフター・コロナに向け、適切かつ柔軟に対応し、食の流通を守っていく所存です。

 

 さて、こんな状況下ではありますが、豊洲市場は移転3年目に入り、さらに先を見て進んでいかなければなりません。昨年の1周年記念式典で、私どもが目指すビジョンを紹介させていただきました。「地元に愛される」「都民に信頼される」「世界に翔(はばたく)く」市場を目指すというものです。新型コロナウイルス感染症だけでなく、今後とも国内外において様々な生鮮流通環境の劇的な変化が予想されており、迷った時や厳しい時期には、このビジョンに立ち帰って、地元のため、都民のため、そして世界にはばたくため、業界が一丸となり、機敏に対応していければ乗り越えていけるものと信じております。開場から2年が経ち、物流面や品質面でお客様、出荷者の皆様に評価を頂いているところもありますが、まだまだ市場内には課題が山積しております。足らぬものを補って、皆様と共に、より良い市場を目指していきたいと考えております。

 

 最後になりますが、農林水産省、東京都、江東区及び市場協会会員各位におかれましては、引き続きご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げますとともに、皆様のご健勝、ご商売の益々の繁盛を心から祈念申し上げます。

 

戻る