豊洲市場では15日早朝、2021年の初セリが行われました。新型コロナウイルス対策のため、各卸売場での年頭あいさつなどを縮小。例年、多くの関係者が集まる生鮮マグロ売場では直接売買に関係しない人に退避してもらい、密を避けた初セリとなりました。また、青果部では宝船のセリ場そばに検温カメラ・モニターを配置。ソーシャルディスタンスでセリを行いました。

 

 

 年頭あいさつは、水産のマグロ売場、青果部卸売場(宝船)で実施。主なあいさつ内容、初入荷の状況、初セリの結果、主な新型コロナ対策は下記の通りです。

 

《水産物部》

 水産卸を代表し江原恒社長は「感染拡大は続く中、卸売市場流通の使命は、一般消費者に生鮮食料品を安定的に供給し続けること。強い気持ちをもって、オール市場で取り組みたい」とあいさつ。水産仲卸(大物業会)を代表し横田繁夫会長は「このような状況の中、たくさんマグロが上場され、大変ありがたく思っています。昨年、PCR検査を多くの仲卸が受検し、陽性者を減少させることができました。しかし、これは過去の結果。これからが大事で、自身の健康管理、感染しない感染させないということが大切」と呼びかけ、初セリでの新たな取引ルールにも協力を求めました。

 

 

 東京魚市場卸協同組合の早山豊理事長は「昨年はコロナの対策に追われた中で、戦うこと、逃げてはいけということを学びました。昨年10月、11月に市場を守るために、全組合員を対象にPCR検査を実施しました。不安を抱えながら、3000人以上の方の協力をいただきました。このことは今後、まだ続くであろコロナとの戦いと同時に、今私たちの市場を取り巻く様々な課題に向き合いながら取り組んでいく、そのための大きな力になると確信しています。また、同時に私たちは、マグロのセリ場、セリ取引を守っていくためにも、卸会社としっかりタッグを組んで、努力していきたい」とあいさつし、魚河岸恒例の一本締めの音頭をとりました。

《青果部》

 青果部では卸を代表し、鈴木敏行社長が「昨年はコロナに始まり、コロナで終わる大変厳しい一年でした。まだまだ収束が見えず、厳しい環境が続いています。特に昨年、緊急事態宣言、飲食店の休業、自粛により我々が歴史の中で力を持ってきた業務用が非常に苦戦しました。これから先もなかなか読めない、また、今まで通りではないと危惧されますが、頑張っていきたいと思います。この5街区青果部のコロナ感染件数が軽微でしたが、卸、仲卸、買参の協力、事業者の危機意識がこの結果につながりました。卸売場・仲卸売場は時間を決めて換気をしてきたのも功を奏したと思います。青果連合事業協会においても早くからパンフレットの配布、ポスターの作成を行いました。厳しい状況続きますが、皆さんの気持ちを継続していただいて、経済が復興するまで頑張ってまいりたいと思います」とあいさつし、恒例の一本締めを行いました。

 

 

【初市データ】※東京都調べ

入荷予定数量

《水産物》 883.2トン(前年比95.3%) 

《野菜》 1216トン(前年比88.3%)

《果物》 276トン(前年比136.1%)

 

【初セリ情報】

《生鮮マグロ》

上場本数:283

上場量:17.3トン

最高値:キロ10万円(青森県大間産本マグロ、208.4キロ)

 

《青果》

最高値:宝船 特大サイズ 50万円

【新型コロナ対策】

・マスク着用徹底

・手指の消毒

・検温・体調管理の徹底

・セリ人のマイク装着(一部)

・場内6ヶ所に検温カメラを新設(水産卸棟1ヶ所、管理施設棟1ヶ所、水産仲卸棟2ヶ所、青果棟2ヶ所)

・横断幕掲出(各街区車両出入り口付近)

・注意喚起の大型パネル設置(約70ヶ所)

・卸売場への入場制限を実施

・売場入り口等への消毒液設置