外出自粛を受け、今、干物が売れているそうです。「塩だけでうま味を引き出し、干すことでうま味を凝縮させる」とは干物を専門で扱う仲卸「村和」の村山浩三さん。常時50種類を超える干物が店舗に並びます。「ぜひ、自分に合う干物を見つけてほしい」と話す村山さんに、話を聞きました。

 豊洲市場で取り扱う干物は年間約1万7000トン、100億円を超える商いがあります。魚種別ではアジ、ホッケ、サバがベスト3。シシャモ、サンマも上位です。ただ、同じ魚種でも干物の種類は様々。全国津々浦々のメーカーさんのこだわりの品が豊洲市場に入荷しているそうです。

 

【焼き過ぎ注意】グリルでじっくり

 #StayHomeの今こそ、グリルでじっくり干物を焼いてみるのもいいのではないでしょうか。村山さんによると、「おいしく食べるには何より焼き立て」だそう。弱めの火でじっくり焼くのがポイントですが、「焼き過ぎには注意」。開いた身を上にして8割焼き、裏返してさっと炙る感じがいいそうです。

 

 焼き立てが一番ですが、一度に焼けない場合は、ホイルに包んで保温するのも手です。干物の皮や骨のまわりにはおいしい身がたっぷり。箸でうまく取れないときは、手を使ってでも、最後まで食べてみてください。

 おすすめの干物を仲卸の村山さんに聞いてみると、「旬の干物」とのこと。広く流通する干物は冷凍原料を使い加工したのち、再び冷凍するもの(業界用語ではツーフローズン)。一方、旬の時期に鮮魚をそのまま干物に加工したのち、冷凍する(ワンフローズン)のが「旬の干物」です。

 

 産地では生鮮のまま売られることもありますが、市場流通ではほとんどが冷凍です。この時期はヤナギガレイやサヨリ、アナゴなどが旬。本シシャモなら11~12月に干したものが旬の干物になります。鮮魚で作るというのがポイントです。

 

【おすすめの料理法】簡単調理で「混ぜごはん」

 村山さんおすすめの料理法は「混ぜごはん」。中途半端に余ってしまった干物を使い、簡単にできます。白いご飯に焼いた干物をほぐして入れ、ゴマ油少々、しょう油、小ネギ、ゴマや大葉を混ぜるだけで出来上がり。干物を二度楽しめます。おすすめはアジやサバ、サケやノドグロの干物だそうです。

 

 実は干物、内臓などを取り除き開いた「下処理をした状態」。料理屋さん向けには料理素材として提案されているそうです。おすすめのメニューは揚げ物。メヒカリや豆アジ、ハタハタなどは、「生よりもカラッと揚がる。プロにもお勧め」とのこと。お店の味を家庭で楽しめます。

 

【目利きのポイント】丸く太った干物を

 お店でどこを見て干物を選べば良いのでしょうか。村山さん曰く、頭から胴の部分が丸く太った感じの干物がおすすめだそうです。干物を何枚か並べてみると、同じ重さでも個体差があるのがわかります。

 「ぜひ家で干物を食べてほしい」と村山さん。専門店はもちろん、なじみのスーパーで探してみるのもいいかもしれません。近所の魚屋さんにおススメを聞いてみたり、食べてみたい干物をリクエストしてみるのも手です。市場にはたくさんの干物が入荷しています。

 

【街の魚屋さんで干物を見つけよう】

東京都内の街の魚屋さんは、下記リンクよりお探しいただけます。

http://tokyouoshou.com/areamap.html

 

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